吉田「爪の先にも満たない現実」
石巻は鮎川に行った時に仲良くなった康正って言う奴がいます。
彼は実家のクリーニング店を継いで若いながら社長として鮎川の地で働いていました。
魚釣りが好きで、
「鮎川の海は凄いッすよ!メーター級のシーバスが5?6本上がり日もありますよ」
なんて嬉しそうに話してくれたりもした。
彼はクリーニング屋でしたが、鮎川の海が大好きで、鮎川の海をみて育ってきました。
鮎川の海で釣りして、鮎川の魚を食べて、海よって生かされてきた。
その海が鮎川の町を飲み込み、彼の仕事を奪い、町の人の命を奪った。
そしてボランティアや自衛隊、様々な支えを受けての生活は、
自尊心を砕いていった。
仕事の無いという事は収入が無いという事です。
今被災地では携帯電話の受信料が支払われ泣ければ止められてしまうそうです。
携帯会社も2ヶ月は待つけど、それ以降は止めると言ってきてるそうです。
会社の支払いなんかも、どこで調べてくるのか避難所宛に請求書が来るそうです。
払えなければ法的手段に出るというところもあるとか。
避難所のリーダー格で康正の親父代わりだった木村さんは
「払う気はあるんだよぉ。でも私たち1文無しなってしまったですもの」
「払いたくたって払えねーんだもの。」
って笑って話してくれました。
漁師の親父さん衆は、港の整備を死にものぐるいでやってます。
時には遺体が流れ着いてきます。
海で遺体をみつけたら、漁師さん達の手で引き上げてあげるんだそうです。
「今助けてやるからなぁ。だから俺達に魚を捕らさせてくれよ」
お金にならないのに、自腹で油使って船を出しては港の整備をしています。
6月の水揚げと言う目標に向け、漁師さん達一丸となって必死でやってます。
津波で船ごと流れた仲間もいたそうです。
10m以上の壁を越えられずに海に叩き付けられた仲間もいたそうです。
そう言う仲間の分もやらなきゃならねぇと決意を胸に、日々の整備に精を出しています。
僕の弟の知人で取引のあったのさかなや「ダイスイ」は、
会社が全て津波でやられました。
石巻の自宅は無事だったので、実家が津波でやられた両親とお祖父ちゃんを迎え入れている。
お祖父ちゃんは毎晩「鮎川に帰りてぇ」って泣くそうです。
あまりに毎晩泣くので、一度鮎川の実家にお祖父ちゃんを連れて行ったそうです。
水にやられて、変わり果てた家をみたお祖父ちゃんは。。。
以下さかなやのブログからコピペ
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家の前でただ立ち尽くすじじぃ。
家の玄関開けて、中見せだげっと
けっして、中さ入ろうとしねがった・・・
ほんで、涙流しながら
孫の俺さ言ってきた。
『おら、もう死ぬばりだがらや。
貯金あっから、ほいって家族 生活する足しにしろは
おらはもう、病院さ行く金さらっとあればいいがらや・・・
今がらの人ら踏ん張んねげ、この町 元に戻んねーべがらや』
震災起きて
頑張れだの 復興だの言うげっとや
津波で建物ぶっ壊して
人の心もぶっ壊したんだ。
????????????????????
このさかなやは今違う仕事しながらも、
6月に鮎川での震災後初の水揚げの時に自分がいないと、
漁師が捕ってきた魚を高く売ってやる事ができないからと、
石巻を離れずに来たる日を持っています。
港は地盤が落ちてしまい、常に岸が水面ギリギリなので、満ち潮に時は船が接岸出来ません。
そんな問題が山積している状態でも、
「頑張っている漁師の親父さん方が魚とって来た時自分がいねーと、この活魚車がねーと魚高く売れねーから」
といって様々な方面からの誘いを断り鮎川の水揚げを待っています。
康正はさかなやの後輩です。
彼も今は瓦礫を山形まで運ぶ仕事に就いて、必死で闘っています。
ついこないだまで社長だった人間が、1日にしてすべてを失い、
それでも闘って、闘って、必死で足掻いて、なれない仕事しながらも、
「この瓦礫がお金を生むなら、復興の焼くにも立って嬉しいっす」
と言って仕事をこなしています。
彼もまた鮎川の港が活気を取り戻す事を心から願っています。
「だから今は金を稼いで、復興の手伝いが出来ようにしたい」
と話してくれていました。
詳しくは彼らのブログでどうぞ。
康正のmixi(HNクラウザー)
みやぎのさかなやのブログ
きっとそんな人達が東北には沢山います。
ぼくらが見てきたのは本当にその爪の先にも満たない現実だったのかも知れません。
でも夢でも幻でもなく全て現実です。
現実に後数日中に受信料払わなければ携帯は止められますし、
これだけの人間が夢みている鮎川の海にも、放射能という魔の手が来ていないとは誰も言えない。
もし汚染されていなくても、魚が今までと同じ様に売れるかは分からない。
そう言う不安の中で闘ってる。
きやすく頑張れとか
前向けとか
明けない夜はないとか
言えないよな(ノДT)
だってもう十分頑張ってるのも。
それでも放射能や余震の不安がまだまだあるのに、
頑張れなんて言えないです。
さかなや、康正、お前等はよく頑張ってる
だから出来る事はしてあげたいなぁ思ってます。
マッコウクジラのネクタイピン
イルカのペンダント
シロナガスクジラのネクタイピン
マッコウクジラのペンダント
これは康正の亡くなった親父さんが残してくれて、
運良く津波に流されずに残ったマッコウクジラの歯で作った工芸品です。
彼の父親が手作りで作ったものとの事。
とても売り物にはならないからと康正は笑っていましたが、
可愛いし、ちゃんとしたものだったので、とっくりマスターが預かってきました。
少しでも何かの足しになればと思い、ここで紹介させて頂きました。
ネクタイピンが¥3800→¥2500
ペンダントが¥2800→¥1500
にてとっくりで販売しています。
一部はglam:UNITED WORKSでも置いています。
(写真の品)
もちろん全ての売上は康正に渡します。
決して強要ではないので、こちらからアプローチをしたりは致しません。
興味あれば吉田までお声をかけて下されば、お見せ致します。
ご協力頂ければ幸いです。
吉田